開幕3連敗は「ただのつまずき」?
開幕カードで宿敵・ソフトバンクに3連敗。昨季、直接対決で負け越して優勝を逃した日本ハムにとって、これ以上ない不安なスタートだった。だからこそ、新庄剛志監督の「この3連敗があったからてっぺん(優勝)を取れたといえるシーズンにする」という言葉は、当初は強がりにも聞こえた。
しかし、その後の戦いぶりが印象を大きく変えている。チームは着実に勝ち星を積み重ね、現在(2026年4月6日終了時点)、ソフトバンクに次ぐ2位。開幕直後の停滞感は薄れ、むしろ強烈な勢いを感じさせる。
短期的な結果に引きずられて評価が振れやすいのは、シーズン序盤の常である。3連敗という事実だけを切り取ればネガティブに映るが、その後の推移まで含めて見れば、単なる「つまずき」ととらえることもできる。
では、その浮上を支えているものはなにか。答えは明確だ。打線である。今季の日本ハム打線は、明らかに“打ち過ぎている”。チーム本塁打は1試合2本以上にあたる9試合で22。セ・パ全12球団のなかで日本ハムに次ぐのが巨人とソフトバンクの9本塁打であることからも、その突出度がうかがえる。
チームOPSは驚異の「.902」
極めつきはOPSだ。出塁率と長打率を足し合わせた値で、得点との相関関係が非常に強いといわれるOPSは、一般的に.700〜.766で「並」、.767〜.833で「よい」とされる。.900以上となるとトップレベルで、ごく限られた打者しか到達しない水準だ。実際、2025年シーズンでOPSが.900を超えたのは、.924を記録した佐藤輝明(阪神)ただひとりである。
そして今季の日本ハムは、ここまでチーム全体で.902というとんでもない数字をたたき出しているのだ。ちなみに、昨季の12球団トップは、ソフトバンクの.695である。いかに今季の日本ハムが抜きん出ているかは一目瞭然だ。
もちろん、シーズン序盤の数字はブレやすい。前回の坂本勇人(巨人)の記事でも触れたように、個人成績であれチーム成績であれ、短期間の結果だけで評価を固定するのは危険である。現在の日本ハムが、いわゆる「上振れ」である可能性はつねに考慮しなければならない。
それでもなお、現状の打撃成績には無視できない説得力がある。偶然の積み重ねだけで説明するには、数字の規模が大き過ぎるからだ。なにかしらの変化が起きていると考えるほうが自然だろう。
その真価が問われるのが、今週末(4月11、12日)に控えるソフトバンク戦である。昨季、日本ハムはこの直接対決で後れを取り、優勝を逃した。いい換えれば、このカードは優勝を占ううえでの試金石だ。
もし現在の打線がこのまま機能し、ソフトバンク投手陣を打ち崩すことができるなら──。開幕3連敗は単なる序章に過ぎなかったといえるだろう。この打線は本物なのか、それとも一時的な上振れに過ぎないのか。その答えは、そう遠くないうちに見えてくるはずだ。
文/清家茂樹


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