本拠地11連勝のオリックスはこのまま走るのか。ホーム勝率が示す「優勝の条件」と「落とし穴」

コラム

「ホーム勝率」上位のチームはほとんどが優勝

オリックスが本拠地で止まらない。2026年4月25日の日本ハム戦で、阪急時代の1969年以来となる本拠地10連勝を達成すると、翌26日には球団記録をあっさりと更新し、破竹の11連勝を飾った。

ここまでホームでは11勝1敗、勝率.917という圧倒的な数字を残している。このまま勢いに乗ってリーグV奪回といきたいところだが、事はそう単純ではないかもしれない。

もちろん11連勝は素晴らしい結果だが、そもそも本拠地で強いこと自体は特別な現象ではない。球場特性に合わせたチーム編成が行われ、慣れ親しんだ環境でプレーできるホームゲームは、もともと勝率が高くなりやすい。

では、これまでどのようなチームがホームゲームで高い勝率を残してきたのか。2016年から2025年までの直近10年で見てみると、以下の顔ぶれがトップ5となった。いずれも、野球ファンなら納得のチームが並んでいるのではないだろうか。

リーグ順位チームホーム勝率
20171ソフトバンク52200.722
20161広島51201.718
20171広島50201.714
20241ソフトバンク49212.700
20201巨人39183.684

※2016〜2025年ホーム勝率トップ5

トップとなったのは2017年のソフトバンク。ホームゲームだけで32もの貯金をつくり、優勝も当然という数字だ。2016〜2018年まで3連覇を果たした広島も、本拠地・マツダスタジアムで無類の強さを誇ったことを覚えているファンも多いだろう。

そして、この5球団のみならず、6位の2020年ソフトバンク、7位の2023年阪神も含め、上位7球団までがいずれもリーグ優勝を果たしている。

つまり、本拠地で6割後半以上の勝率を残すことは、優勝に向けたひとつの条件といっていい。そのうえで、ビジターゲームをどれだけ落とさないかが問われるようだ。

このことは、逆にホームゲームでの勝率が低いチームを見れば一目瞭然だ。以下がワースト5である。2018年のロッテ以外はすべてリーグ最下位に沈んでおり、ホームでの戦いぶりは、それだけ順位と強い相関関係があると見ることができる。

リーグ順位チームホーム勝率
20186楽天22500.306
20186阪神27422.391
20185ロッテ27431.394
20176ロッテ28421.400
20196ヤクルト28412.406

※2016〜2025年ホーム勝率ワースト5

オリックスが直面する「内弁慶」というリスク

とはいえ、ホームゲームでの強さがそのまま優勝の絶対条件ではない。「ホーム勝率−ビジター勝率」で算出される数字は、大きければ大きいほど、ホームでは強いもののビジターには弱い、いわゆる「内弁慶」ぶりを測る目安となる。

それを見てみると、なんと2021、2022年のヤクルトは「−(マイナス)」の値で優勝を果たしている。つまり、ホームゲームよりむしろビジターゲームをより得意にしていた「外弁慶」だったというわけだ。もちろん、ヤクルトはホームでも決して弱かったというわけではなく、「ホーム以上にビジターで強かっただけ」ととらえるのが妥当だろう。

リーグ順位チームホーム勝率ビジター勝率ホーム勝率−ビジター勝率
20211ヤクルト.554.617−.063
20221ヤクルト.521.632−.111

そして、逆に「内弁慶」のトップとなったのが、2020年の阪神だ。

リーグ順位チームホーム勝率ビジター勝率ホーム勝率−ビジター勝率
20202阪神.661.404.257

2020年の阪神は、ホームゲームでは勝率.661と好成績を収めていた。先のホーム勝率順位でいっても全体8位の数字である。そして、トップ10のなかで唯一リーグ優勝を逃しているのが、ビジターで取りこぼしたこの年の阪神なのだ。

では、今季のオリックスはというと、ここまでビジターでは5勝8敗0分の勝率.385。「ホーム勝率−ビジター勝率」は.532と、2020年の阪神をも大きく上回る。ホーム勝率が驚異的な水準ということもあるが、まさしく内弁慶の状態にあることはたしかだ。

いくら好調とはいえ、このままオリックスが本拠地で9割を超える勝率を維持し続けることは考えにくい。セ・リーグと比べると実力が拮抗しており順位が変動しやすい傾向にあるパ・リーグを勝ち抜くには、やはり今後のビジターゲームでの勝率を伸ばしていくことが鍵になるのではないか。

※数字は2026年4月26日終了時点

■筆者プロフィール
清家茂樹(ライター・編集者・野球コラムニスト)
野球を「ちょっとだけ深く」見るコラムを発信中。

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